神戸 徒然の記, 【しろぽんの十大小説 4位】ヴィクトル・ユゴー 「レ・ミゼラブル」 激烈な信念の激突
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2009/08/17/(月) 4位 しろぴ
【しろぽんの十大小説 4位】ヴィクトル・ユゴー 「レ・ミゼラブル」 激烈な信念の激突
偉大な信念の怪物ジャン・バルジャンを創造した、大人のための童話



フランスは小説大国である。バルザックからフローベル、サン・テグジュペリやデュマなど多種多様な作風の作家がいる。
イギリスやロシアも偉大な小説家は多いが、フランス小説ほど多様で万人に認められることはない。

その多様なフランス小説の中でも、バルザックとユゴーは別格である。この二人と同質の小説家はどこにもいない。
作家という枠で見ればバルザックの方が上だと思うが、作品でランク付けするならユゴーのこの小説を押さざる得ない。
この小説によりジャン・バルジャンは創造されたのだから。

ストーリーは誰もがご存知だと思うが、パンを盗んだかどで投獄されたジャン・バルジャンが、出所後、その過去を隠しつつ立派に出世するが、
その過去をかぎつけた探偵(フランスの刑事はこう呼びたい)ジャヴェールに追われることになる。ジャン・バルジャンは孤児のコゼットを悪辣な養父母から救い、それを育てる。
やがてコゼットは美しく成長し、マリユスという青年と愛し合うようになる
そして、革命の最中、ジャン・バルジャンとコゼット、マリウス、ジャヴェールらの運命が出会い大きな渦をなしていく。
ジャヴェールは信念をうち果てて死に、ジャン・バルジャンはその信念によって燃え尽き、マリウスに愛するコゼットを託して死ぬ。
コゼットとマリユスはジャン・バルジャンの愛の信念によって守られ、幸せな結婚生活を送ることになるのだ
(ストーリーは私の記憶の範囲でのもの)

この小説で一番こころ打たれるシーンは、ジャン・バルジャンが出所後、ミリエル神父の教会から銀の食器を盗んだにもかかわらず、神父が「それは私が差し上げたものです」と言ってかばい、さらに銀の燭台を差し出すシーンだ
このシーンは完全なユゴー独自の創作ではないだろうが(良くある話なので)、私にとって「赦し」のキーワードで結びつくのはこの小説のこの場面なのだ。
だから、私がどうしても「赦し」を必要としたとき、願った小説はこの「レ・ミゼラブル」だった。

もちろん、この長い小説の見所はここだけではない。
市長になったジャン・バルジャンが、事故で馬車の下敷きになった人を怪力で助け出す場面やジャン・バルジャンとジャヴェールの最後の対面。ジャン・バルジャンとコゼットの再会など、見所、泣き所はいっぱいなのだ
それと、醜悪な悪党たちのむかつく悪事も印象深く、下手な童話より強くこころに残っている。

そんな風に、なにしろ印象深い小説なのだ、人物がどれも強烈で分かりやすく、危険なほどの信念の力が彼らを突き動かし物語を綴っていくのだ。
単純なテーマ(愛と信念と書けば十分に説明できるほど。)だが、人生のいたるところで応用の効く教訓をこころに植えつけてくれる。
愛とは何か、失恋の苦しみ、挫折、正義と悪、それらの答を分かりやすく教えてくれる。
人生の分かれ道にあると思ったときには一度、この小説を読み返すことを勧めます


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